売れっ子アーティストの本音と現実
最近読んだ外国の記事を読んで思ったことをシェアしたいと思います。
アーティストが、本当の自分よりも大きく演じた自分を商品として求められ、そのことで心が病んでしまうという現実が書かれていました。
売れすぎたり注目されすぎたりすると、かえって自由を奪われるのですね。
期待や注目されないというのも落ち込みますが、され過ぎても色々な問題があるようです。

私は混雑していない所でぷかぷかと浮かびながら、自由にやっているのでとても幸せです。フリーランス音楽家として、ビジネスと好きなことを分け、数字を上げていくことすら楽しんでいます。思うようにいかないときは、それを次へのヒントや課題として受け入れる。なので心はとても健康です。
売れっ子アーティストが抱える深刻な悩み
周囲からは売れている、才能だ、自由だ、などと言われている彼らにもいろんな悩みがあります。
その中で、少し切実な問題で、もちろん私共感できるようなことだったので、書いてみたいと思います。
華やかに仕事をしているアーティストは、世界にどれほどいるのか。
その中で、本当に良い環境で活動できている人はごくわずか。
最近読んだ記事から、「やっぱりそうだよね」と思ったことがありました。
音楽教室講師の無償労働とフリーランスの現実
プロの音楽家が直面する切実な問題の一つに報酬があります。
たとえば、音楽教室講師にのしかかる無償労働の問題。
音楽教室の現場では、レッスン以外にさまざまな仕事があります。体験レッスンの実施、発表会やイベントの運営、準備や会議…。
ところが、これらが無償で行われていることけっこうあって。
これは音楽講師がフリーランス契約であるがゆえに「個人事業主だから」と片づけられてしまう現実でもあります。
最近では、講師たちが団体を作り、改善を求めて声を上げる動きも出ています。(そんなニュースをネットで見ました)
成功の光と影〜ユンディ・リ
お金を得られるようになると、周囲からちやほやされたり、自由になったように感じたりすることもあります。しかし、その環境の変化が心に大きな負荷をかけることもあるのです。
記憶に新しいのが、世界的なピアニスト、ユンディ・リ氏が売春で逮捕されたという衝撃的なニュース。
実は私も彼のコンサートを見たことがあり、その弾き方、体の使い方はもう西洋の踊りのようで、彼の頭の中ではきっとそんなイメージでピアノを弾いているのだろうと、とても関心を持っていました。
彼は一時活動を休止していましたが、その後復活したようです。
売れても売れなくても、病んだり、道を踏み外したり、この世界は本当にむずかしい。
自由と引き換え、大きな負担

サンティゴールドというアーティストの言葉にとても考えさせられました。
「人生よりも大きな自分を表現しなければならない。そして人々はそれを買っている」
「演じる自分」
もし私が同じ状況になったら、同じように思うかな。
アーティストの現実として報酬の問題があります。
私もこれまでに、時間をかけてアレンジをしたのに一銭ももらえなかったり、一日中ステージの横で裏方として働いたのに、無報酬だったこともあるから。
演奏しても無報酬なんて当たり前だし、自分って一体なんなんだろうと。(今はフリーランス法というのができたので、これから変わっていくのかな)
筋としてこの案件ではこのくらいの料金がかかりますよ、と金額を伝えると、いつの間にかその話は無かったことに・・みたいになったり。連絡しても返信がなかったりで。
「あ〜・・・」って思っちゃう。
そうした経験から、自分がどうやっていけば良いのかを常に考えています。
DIY=Do It Yourself(自分でやる)

楽曲制作、レコーディング、ミックス、配信、宣伝、ツアー手配まで、すべて自分や仲間で行うアーティストの活動形態を「DIYアーティスト」と呼びます。英語圏でこう言う呼び方は一般的だけど、日本ではちょっと安っぽく聞こえるかも知れません。
またレーベルやマネージャーがいなかったり、それが自由でもあるんだけど、資金、時間、体力、そして精神面の負担はとても大きいのが問題です。
わたしは、ひとりで音楽活動をしているので、まさにDIYアーティストですね。
以前はライブや人前での演奏もしてきましたが、この小さな町で、自分のイメージや感覚を共有できるプレーヤーを見つけるのはなかなか難しいもので、しばらくは一人でやっていくつもりです。
音楽は共通の言葉、つまりイメージがなければ、納得のいくものができません。
自分だけが納得しても、周りを置いてきぼりにしたら、周りからは「勝手にやってくれ」ということになるし、置いてきぼりでも、多少なりとも感性が同じで、通じ合える人がいれば音楽は生きてきます。
もしこの先、同じ感覚を持つ人と出会えたなら、何かを一緒に生み出してみたいと思っています。
自己満足の罠

そして、私が最も苦手に思うのは自己満足の活動です。
アーティストであれば「見てほしい」「聴いてほしい」という気持ちが出てくるのは当然だけど、どうしても気持ちの中心が自分になってしまい、人間的にも音楽的にも変わっていくのは難しい。
自分にいろんな感性がプラスされていくのを感じることができれば、それが成長だし本望。
私は裏の裏の裏、までその人がどんな気持ちで音楽活動をしているのかまで考えてしまうし、それが結構当たってしまうので、自己満足で嬉しそうな人を見ると、がっかりしてしまうのです。
音楽をやることと、心の健康

Big ThiefのAdrianne Lenkerがこんなことを言っていました。
「キャリアが成り立つのは『より多くを引き受け、より多くを成す』ことであるかもしれない。でも、芸術が本当に活きるのは、休息と自分の内側。休息は生産性よりも価値がある。」
わ〜、最もそう。
とにかく疲れたら休む、というのが鉄板です。
いろいろな仕事がたくさん来て、あっちからもこっちからも引っ張りだこ。
周りから見ると、すごく順調に仕事ができてるようにも見えますが、本人の思いではない場合もあります。
確かにそれは有名になっていくストーリーですが、どこかで量産に意味はないということに気づくのだと思います。
ただ、こんな自由な生活をしていても、「お金がなければ生きていけない」という現実からは逃げられないですよね。
かと言って昔から組織で働くセンスが全くないんです。(正確にはやる気が起きない)
だからせめてお金を使うときは慎重に。
使う、貯める、運用する。そして一番大事なのは、何かを買うときは本当によく考えて買う、ということ。
最近の活動、理想のワークスタイルを目指して
ニューアルバムを配信開始しました。
けっこう、苦悩や重たい気持ちが時にあることも。一瞬忘れたすきま時間に作っています。
それで後で聞き返すと、悲愴感はなく、みずみずしさがある感じで、自分でもすごく不思議な気持ちになります。(その曲がいいとか悪いは関係なく)
表現者としての本質とは?「作ること=生きること」という考えになりました。詳しくはこちら
English Version / Artist Life: Behind the Stage
Theme:The gap between the image of artists and their real life.
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Money & Work: Artists may look glamorous, but many face unpaid work. I live as a DIY artist, doing everything from composing to releasing by myself.
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Mental Health: Music needs rest and balance. Productivity is nothing without inner peace.
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Time Value: “Time is money.” I learned to work when I want, rest when I need, and keep music alive in my own rhythm.
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Recent Work: New album released. Made in small free moments—sounds fresh, not sad.



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