テーマなぜ「ほのぼの」?
私が音楽のテーマに選んだのは「ほのぼの」です。
本質的には「なごみ」に近いのですが、あえてほのぼのにしました。
それは、世の中にあふれる強烈で極端なものよりも、おぼろげでふんわりしたものが好きであり、世の中には必要だと思ったからです。
意味は、なごむ
「なごむ」という言葉は、日本最古の歌集『万葉集』に出てきます。
自然や人との関わりの中で心がやわらぎ、安らぐ意味で、とてもきれいな響き。
昔から日本人が大切にしてきた感覚であり、「なごみ」という言葉は私の音楽を表現するのに、ピッタリです。
「なごみ」より「ほのぼの」を選んだ理由
漢字で「和み」と書くと少し硬く見えてしまうと思いました。
そこで私は、同じ感覚を持ちながらも、繰り返す響きがかわいい「ほのぼの」を選んでテーマにしてみました。
強烈で個性的より、かすかなもの
世の中には、強く押し出されたものや、極端で刺激的なものがあふれています。
音楽もそうです。
ふんわりといろんな空気に交わることができる調和的なもの。
そこに人間が持っている優しさが、感じられると思うのです。
音楽でもそんな空気感をとても大切にしています。
世界に伝えたい言葉「ほのぼの」
「ほのぼの」は、英語では表せなくて、どうしても relaxing や calm になってしまいます。
けれども実際はもっと繊細で、日本独特のやさしさを含んでいます。
だけど外国語には置き換えにくい。
日本語のままで「ほのぼの」という響きが広がってほしいと思っています。
私はその思いを込めて、この言葉を音楽のテーマにしました。
北海道の暮らしから
私が育った北海道は、とにかく広い土地です。
車を少し走らせれば森や海があって、自然がすぐそばにあります。
子どもの頃は、腰まで積もった雪の中をこいで学校に行ったり、崖のような山を登ったり、虫をとったり動物を追いかけたり。
危なっかしいことも多かったけれど、それが当たり前の遊びでした。
草木の匂いは季節や時間によって変わり、同じ朝でも違う香りがしました。
夜は驚くほど静かなときもあれば、嵐のように風が吹くこともある。
そういう自然の変化の中で暮らしてきた経験が、今の私の音楽の感覚につながっています。
多くの人が暮らしの中で、ふと安らぎを感じられる場所や時間があればいいなと思います。
もしその瞬間を、私の音楽と一緒に見つけてもらえたら、これ以上うれしいことはありません。
English Version “Honobono” A Japanese Word Beyond Relaxation
I chose “Honobono” as the theme of my music.
It is close to Nagomi, a word already found in the ancient Manyoshu poems, describing a heart at peace in nature and human connection.
But “Honobono” feels softer, with a playful sound that carries warmth.
Rather than strong or dramatic expressions, I want to capture faint light, fleeting moments, and the quiet kindness often hidden in everyday life.
Growing up in Hokkaido’s wide landscapes, I learned to find comfort in small things—snow, wind, the scent of trees.
Through my music, I hope others can also find those little moments of ease.
コメント