2小節のモチーフをもとに曲を作る
ヤマハ演奏グレード5級の科目である即興B

2小節の短いモチーフをもとに、続きを即興で弾きます
課題が3つあり、その中から自分が弾きやすいものを選ぶことができます。
形式をどうするか考える
はじめのうちは、一つか二つ、得意な形式だけに絞って練習してください。コツを掴んだら、色々な形式で弾くのが良いでしょう。
小節数は多いからといって良いということではなく、モチーフの使い方が印象的であるかどうか、コード進行や低音の動きが自然に弾けているか、ということが大事になってきます。

どの形式で弾く?
- A-Bの二部形式
- A-B-Aの三部形式
- ソナタ風三部形式(最後にコーダをつけてソナタ風に)
- ロンド形式(五部形式)
- 自由なポップススタイルなど
曲の構成と小節数を決めておくと迷わなくてすみます。
実践1 ニ短調
試験では3つの課題から一つ選んで演奏すれば良いのですが、今回は全部弾いてみました。
演奏例
実践2 ハ長調
演奏例
メロディーとコードが動くので、あえて伴奏形はシンプルに。
実践3 ニ長調
演奏例
短くても濃い内容。これが一番難しいです。
A(8小節)-B(4小節)-B(4小節)
モチーフのメロディーやリズムを何度も登場させて印象付ける。
良くない即興例
次は良くない例を弾いてみました。
レッスンなどでは結構な割合で見かけます。仮にグレードを受けたとしても悪い点数が付くと思うので、もう一度自分の演奏を振り返って練習してみてください。
②の例
自覚がある人は、普段弾いている曲の分析をして流れを研究。スマホで自分の演奏を録音するのも良い方法です、
次は「あともう一歩」?
綺麗にまとまっているようだけど、大切な部分を忘れています。重複NGなところを思いっきり弾いてしまっているパターンです。そして大事なな終止を適当にに終わらせているので良くありません。
- メロディのシと導音のシが重なるのはNGです。重ならないように別の音を使いましょう。
- 和音の流れをよくしましょう。
- 終止形を使って曲をしめましょう。
音源では、メロディのシの音と、和音のシ(導音)の音が重なっていますが、一緒に使うことはできません。別の音を弾くようにしてください。
今日は、ヤマハ演奏グレード モチーフの演奏例を3つ紹介しました。参考にしてくださると嬉しいです。
モーツァルトソナタの例より導音の使い方
モーツァルトのソナタのはじめの部分です。
右手の「シ」は導音なので、左手のアルペジオでは「シ」を避けて「レ」を使っています。とても大切な決まり事です。
和声法では、導音(シ)は必ず「ド」に進みたがる性質を持つとされます。
そのため左右で同じ導音を重ねてしまうと、不安定さが強調されすぎてしまい、自然な響きが失われます。
左手で「レ」を選ぶのは、その圧力を和らげてバランスをとります。
この考え方は和声法の基本で、ヤマハグレードのテキスト(7級・6級)でも繰り返し強調されています。
即興試験でもとても重要です。
7.6級の練習書。とてもわかりやすい教則本。漠然と5級の問題集を弾くより、もう一度基本を振り返るのも良い方法です。
☆印に注目
導音について
即興を楽しむために
即興は「全くのゼロから思いつきで弾く」ことではありません。
まずは基本を固め、自然に形が作れるようになってから、少しずつ冒険をしていくことが大事です。
たとえ間違えたとしても、そこから発展させる技術を身につければ、それは失敗ではなく新しいアイディアです。
ぜひ、楽しみながら練習していきましょう。
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